配置薬の思い出
昔同棲してた男が元々配置薬を設置していて
急な体調不良の時も薬を買いに行く必要もなく
助かっていました。
設置料はタダで使った分だけ支払い、
無くなったら補充してくれる。大変便利!
特に辞める必要性もなく、
何年も我が家の救急箱として連れ添っていました。
同棲男が転勤で単身赴任になり
ワタシガひとり暮らし状態だったある日
毎月恒例の薬の在庫チェックが来ました。
「富士薬品です〜」
カメラ付きインターホンの画面には知らない男。
いつもの人じゃないな?と思いつつも
前に揉めた事もあったし担当変わったのかなー
くらいに思って玄関の中に招き入れました。
玄関ドアも閉まり、
担当さんはスキャナーで在庫チェックを始めます。
ピッ、ピッ
「あれ?バーコードの読み取りが出来ない。
おかしいなぁ。〇〇さんですよね?」
私「違います」
〇〇さんは隣の住人でした。
「えー!すみません!」
しこたま謝ってすぐに隣の家に向かいました。
訪問する家を間違えちゃったドジな営業さん。
あわてんぼうだなぁ♪ あははは♪
・・・ではなく、
“普段用心深いつもりでいた私が
「富士薬品です」と言われただけで
簡単に知らない男を家に入れてしまった”
という事にショックを受け
この上ない恐怖心がじわじわと襲ってきました。
今回は本当に富士薬品の人だったから
良かったようなものの、
もしなりすましの不審者だったら
殺されててもおかしくない。
こう考え始めたらもう駄目です。
その日の内に勝手に解約の電話を入れて
薬箱を取りに来てもらいました。
いつもの人でした。
解約理由は
「訪問する家を間違えた見知らぬ営業担当に
恐怖心を抱いたため」
「犯罪被害を未然に防ぎたいが為の賢明な自己判断」
・・・とはまさか言えず
「家庭の事情」
とだけしか言えませんでした。
女のひとり暮らしには向いてなかったです。